ブルーモルファ(青い蝶)の奇跡

10歳の少年、ダヴイッド・マランジェは末期の脳腫瘍に侵され、もはや余命3ヶ月であった。彼にはかなえたい夢があった。
それはこの世でもっとも美しい青い蝶、ブルーモルフォに、自分自身の手で触れること。蝶が大好きなダヴイッドは中南米の熱帯雨林にしか生息しないその幻の生き物を、命あるうちに見たいと願っていた。
息子の願いを知った母親は、彼をモントリオールにできたばかりの昆虫博物館へ連れて行く。ダヴイッドが尊敬してやまない世界的に有名な昆虫学者ジョルジュ・ブロッサールに会わせるためだ。ダヴイッドの願いをかなえてくれるのは彼しかいない。
しかし、ブロッサールは見知らぬ少年に対して、そっけない態度を見せる。車椅子にのった病気の子どもをジャングルに連れて行くなんて無茶な話だ。第一、ブルーモルフォを見られる時期はとうに過ぎている。しかし少年は「来年まで待てない、僕はもうすぐ死んだ」と言う。少年の「絶対諦めたくない」という強い気持ちにブロッサール博士も心を動かされた。
ブロッサール自身、子供の時から昆虫が好きで、生活のために公務員になったものの、「世界の昆虫を集める」という子供の時の夢を実現するために仕事を辞め世界各地で昆虫を採取し昆虫博物館をオープンしたのだった。ダヴイッドの執念ともいえる願いにを叶えるためダヴイッドと共にジャングルに行く決心をした。

しかし、ジャングルで蝶に近づくと蝶はすぐ逃げてしまう。原因はダヴイッドの乗る車椅子の振動を敏感に感じ取りいち早く逃げてしまうのだ。
車椅子が原因だとダヴイッドも判っていた。捕虫網を杖に自分で歩こうとするダヴイッドの姿にブロッサール博士は「ダヴイッドの足」となり背負って蝶を追うことにした。
ダヴイッドを背負って蝶を追うこと4日間ブルーモルフォは現れない。ダヴイッドは徐々に弱気な事を口にするようになった・・・5日目、灼熱のジャングルでダヴイッドを背負うブロッサール博士の体力も限界に近かった。ダヴイッドを背負ったまま、ブロッサールは転んでしまった。二人とも無事であったが、ダヴイッドの口から「死ぬかと思った」という言葉が出た瞬間、ブロッサールが怒って怒鳴ってしまった。
「死ぬ、死ぬ、言うな!君は気持ちで病気に負けているんだ!病気に勝とうという気持ちを持て!もう私を頼るな。もう君を担ぐのは止めた。自分で考え、自分で歩き、自分の力で蝶を捕まえろ!立てダヴイッド!やらずに諦めるのか!」
「くそっ!」誰も頼れない状況に奮起するダヴイッド少年。なんと彼は捕虫網を持って立ち上がった!そして歩き始めた!奇跡@
そんなダヴイッドの元に、季節外れの奇跡の蝶、ブルーモルフォが現れた!そしてダヴイッドは自分の手で青い蝶を捕まえた。
奇跡A
ジャングルから戻り悪性脳腫瘍で余命3ヶ月のダヴイッド少年と「永遠の別れ」をしたブロッサール博士の元に1年後ダヴイッドから手紙が届いた。「僕はまだ生きている」と・・・
このダヴイッド少年、現在では23歳の青年となり好きな昆虫採取に余念が無い。

なんとジャングルから戻ったダヴイッド少年の脳から腫瘍が消えて無くなっていたのだ。奇跡B

この物語は実話である。「天国の青い蝶」という映画になっている。私の意識を変えてくれた実話は
「コルベ神父の善行」に続いてこれで2つ目になる。人間の精神・意識の力が奇跡を生む事を
教えてもらった。ダヴイッド少年は全て自分の意思で決定し「不屈の精神力」で自分を取り巻く障害に
その都度立ち向かい克服している事が判る。
死ぬ前にジャングルへ行き、青い蝶を見たいという「不屈の願望」を持っていた。これが奇跡の発端であろう。
そしてジャングルで転んだ時、博士からの怒りの言葉。誰も頼れない状況の中で「くそっ!やってやる」と
みなぎった闘志。この自分自身に対する闘志こそ彼を歩かせ、脳腫瘍を消滅させたと私は思う。
「自分の意思で自分の運命を変えた、切り開いた」これが重要ポイントだ。

世に中の成功者を「あの人は才能があったから」「あの人は特別だから」と言ってしまう人達!
10歳の少年に起きた奇跡も「才能があったから、特別だから」で済ませますか。
私はこの少年に起きた奇跡に「人間の不屈の意志が奇跡を生む、決して特別だからではない」と言ってしまいましょう。

思考は現実化する

TVでタレントに催眠術を掛け「世界的指揮者」にしたり「嫌いな食べ物」が食べれるようになったり、高所恐怖症の人がバンジージャンプができるようになったりする番組が有りました。
なぜ嫌いな物が平気で食べられたり、高所恐怖症の人がバンジージャンプができるようになるのでしょうか?


人は無意識に心に壁を作っています「食べられない」「出来ない」は固定観念が作り出す心の壁です。
催眠術により固定観念が取り除かれるため、今までの不可能が可能になるのです。
ナポレオン・ヒルの説く「思考は行動を支配する」とは固定観念が取り除かれるため、今までの不可能が可能になる事を言っているのだと思います。
催眠術の力を借りずとも、固定観念を取り除く事は可能です。
小さな成功体験を積み重ねていく事で「出来ない」⇒「出来る」に意識を変える事で可能となります。


人は仕事においても自分の人生においても、心の壁を作ってしまっています。「これ以上は無理、不可能」だと・・・自分で諦めてしまえば、その先は有りませんが、諦めない限り不可能を可能にする事が出来るのです。道を閉ざすのは自分自身の心の壁である事に気付けば、人が言う「奇跡」を達成する事が出来るかも知れません。

我が格言を一つ、「人の能力に限界は無いが、下級サラリーマンの給料には上限が有る」 


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